傘はあまり差したくない人

思ったことを書きたいだけの場所

長年悩まされてきた手荒れが劇的に改善したことについて

小学校高学年くらいから、ずっと手荒れに悩まされてきた。

主に利き手である右手。末期は高校生の時。でもそれ以後もわりとひどかった。

 

 

 

じゃんけんができなかった

恐らく遺伝的なもので、どうしようもなく手荒れをする。特に指がすごい。

ガサガサ、キレキレ、カユカユ。

 

高校のときは部活のせいで手の甲もひどいことになり、授業中に先生に心配されたりもした。

当の本人には慣れた景色だったので「心配性だな」と思っていたが、今考えるとあの手はやばい。ただれてる感じだった。腫れていて、ものすごく痒かった。先生も友達も心配してた。HUNTER×HUNTERドッジボールのときのキルアの手みたいになっていた。大天使の息吹はここにはなかった。

 

手を洗う時はもちろんのこと、お風呂で髪を洗う時もデフォルトで痛かった。でも慣れていたので別に気にしなかった。

 

部活を引退してからはだいぶよくなった。左手はきれいになった。手荒れがないと自分の手ってけっこうきれいだなと思った。

 

でも右手はダメだった。ダメダメだった。

 

冬は乾燥の季節だから悪化する。じゃあ夏はましかといえば、汗をかくので悪化する。何かと理由をつけてひどい。

 

テクスチャゆるめのハンドクリームはしみるので塗れなかった。友達が誕生日にくれた好きな香りのするハンドクリームは手が痛くて使えなかった。でもそんなことは言えなかった。

 

手が乾燥して~と言いながらいい匂いのする可愛いハンドクリームを塗る女の子が羨ましかった。そういう子はきれいな手をしていた。

 

爪の付け根がはれ上がっているので爪はガタガタだった。ネイルをするとみじめな気持ちになった。

 

じゃんけんができなかった。あかぎれで痛いというのは当然だが、指が常にはれぼったかったので関節を曲げきることができなかった。グーができない。チョキもできない。

 

薬を塗ってみたりしたが、なかなか継続しない。それは自分の責任。でもこういうものは治ったりしないと思っていたのであきらめていた。

 

2019年夏、きれいだった左手も荒れだした。小指から荒れだした。汗のせいか手だけじゃなく腕や脇まで荒れだした。かゆい。あまりにもかゆい。手のひらもかゆく、生命線が真っ赤になる。

 

これはさすがにだめだ。

 

このままだと自分の本来の手を忘れてしまう。

 

ちゃんと治すことにした。

 

寝ているときに手袋

悪化の原因の一つは寝ている間にかきむしってしまうことだった。朝起きたら手がものすごくいたく、爪の間には血の塊が付いていたりした。

かゆすぎてかきすぎて夜に目が覚めることもあった。

 

これをどうにかしよう。

 

綿の手袋を買ってみた。

 

前にも挑戦したことがあったが、寝ているときに脱いでしまう。とりあえず、リストバンドをつけてみた。

 

手袋がはずれることはなかったが、手袋の上から結局がりがりかいてしまっていた。手袋が見るも無残な姿になっていた。

 

綿の手袋をもっとたくさんと、介護用のミトンを購入した。介護者が体をかきむしらないようにつけるミトンだ。紐でがっちり固定することで簡単には外せないようにするという、誰かが協力してくれないと使えないものだが、紐を切ってマジックテープのみで固定するようにした。

 

薬を塗ってワセリンを塗って綿の手袋をしてミトンをして寝るようになった。

 

最初の内はミトンの中でもがきかいてしまうこともあったが、あきらかに片方の手でかきむしるよりましだった。マジックテープだけで不安だったが、寝ているときに勝手に外すことはなかった。

 

ネット上では、手袋をすることはむしろ肌のバリアを弱くしてしまうからよくないとよく書いてあったが、今まさに手をかきむしっているこの状態をよくしたかった。肌のバリアが弱くなるのが怖くて、結局今血まみれになることに何の意味があるのかよくわからなかった。

 

手が暑くなって寝づらいだろうかと心配したが、意外と心地よかった。手先が暖かいと安心する。

 

 

かゆいときは保冷剤

また、寝ているときの次にかゆいのがひどい時間帯は午前中だった。

仕事に集中できないほどかゆかった。かいちゃだめだと言われるし、かいちゃだめだと自分でもわかっているのに無理だった。どうしようもなくかゆい。

 

かゆいときは冷やすのが一番肌に負担がかからない。

 

ガッチガチの保冷剤を職場に持っていった。かゆいときは保冷剤に手を当てて痒さをしのいだ。絶対にかかないようにした。かゆみが治まらず午前中ほとんどをふいにしたこともあった。

 

映画を観るのがとても好きだが、一度映画館でものすごくかゆくなって(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドだった)かいてしまった。右手の薬指がひどいことになった。

それ以降は保冷剤をもって映画館に入った。

 

 

食器洗いはゴム手袋 

食器を洗い終わった後がものすごくかゆかった。洗剤は肌に非常によくない。肌に負担をかけない洗剤もあるようだが、結局体質に寄るだろうしなにより割高だ。しかも洗剤の詰め替えが家にすでに買ってあったので勿体ない。

 

ゴム手袋を買ってきて食器を洗うことにした。洗った後手がかゆくならなくて革命だ。もしかゆくなったときは、急いで保冷剤で冷やした。

いつか食器洗い機を買おうと思ったのもこのころからだった。

 

タオルは綿のものへ

バスタオルは捨てた。大分古くなっていたし、素材もいいわけでもない。また、めんどくさがりなのでタオルを毎日洗いに出すなんてこともしていない。

 

代わりに綿のフェイスタオルを大量購入した。

 

朝は顔を洗って拭き、夜お風呂に入ってそのまま洗濯機に入れるようにした。これなら毎日洗濯をしなくてもきれいなタオルが使える。

身体と頭を拭くにはフェイスタオルで十分だということを学んだ。

 

 

じゃんけんができるようになった

数週間もすればだいぶ変わってきた。新しい傷ができなくなり、どんどんきれいになった。

今もまだ完全に治ったわけではないし、これからも完全になることはないとは思う。元々肌が弱いから。

 

でも今はもう保冷剤を持ち歩くこともないし、さっと食器を洗うだけなら手袋もしていない。睡眠中の薬を塗って手袋も毎日はしていない。ステロイドを使いすぎるのが怖いというのもあるし、そもそもそれで十分になった。

 

朝顔を洗っても痛いと思わなくなったし、友達や親からは手がきれいになったと驚かれた。

5ヵ月ほどたってようやく爪のぼこぼこがゆるやかになってきた。今年の夏はネイルをしてみたい。

 

今までネットで治し方を見ても、どれもめんどくさそうだなと思っていた。だがやってみて、習慣にしてしまえばなんてことはなかった。

 

冬になってまた少し荒れだしたが、いつもよりひどい感じもしない。

 

ようやく友達がくれたハンドクリームを使えて、私は嬉しい。

 

とてもいい香りがする。